精液に血が混じったら。血精液症の原因と泌尿器科へ相談する目安

30秒でわかる要点
- 精液が赤色や茶褐色に見える状態を血精液症と呼ぶ。|多くは重い病気とは限らず自然軽快する場合もある。|炎症、感染、結石、医療処置後などが原因になることがある。|血精液だけで性感染症やがんを断定できない。|長引く・繰り返す・痛みや発熱がある場合は受診する。
まず確認すべきこと
発症時期と回数|色と量|痛み・発熱・排尿症状|最近の処置・外傷・薬
やってはいけないこと
色だけで病名を断定する|出血や痛みがあるのに刺激を重ねる|薬を自己判断で使う・止める|感染の不安を無視する
この記事は一般情報です。精液の色だけで原因や病名を判断することはできません。血が続く、何度も繰り返す、痛みや発熱、排尿時の違和感、陰嚢の腫れなどがある場合は、泌尿器科で相談してください。
血精液症とは何か
精液に血液が混じり、赤色、ピンク色、茶褐色などに見える状態を血精液症と呼びます。日本泌尿器科学会によると、精液は精子だけでなく、精嚢や前立腺などからの分泌液が大部分を占めるため、出血部位としては精嚢や前立腺が多いとされています。
鮮やかな赤色は比較的新しい出血、茶褐色は時間が経った血液が混ざっている見え方のことがあります。ただし、色だけで出血の場所や原因を特定することはできません。
よくある原因と考え方
原因が特定できないことも多い
血精液症は、検査をしても明確な原因が見つからないことがあります。微小な血管からの一時的な出血などが考えられ、自然に落ち着く場合もあります。日本泌尿器科学会は、多くの場合は治療を必要とせず、色調が元に戻るまで数週間ほどかかることもあると説明しています。
前立腺や精嚢の炎症・感染
前立腺炎、精嚢の炎症、尿道炎などがあると、血液が混ざることがあります。排尿時の痛み、会陰部の不快感、発熱、悪臭のある分泌物などがあれば、色だけで様子を見ずに相談します。
性感染症が関係する場合もありますが、血精液だけで性感染症と決めることはできません。心当たりがある場合は、保健所や医療機関の検査・相談先を利用します。
医療処置や外傷のあと
前立腺生検など、精路に関わる処置のあとには血精液が起こることがあります。処置を受けた医療機関から説明がある場合は、その指示を優先します。外傷後に血が混じった場合も、痛みや腫れがあれば受診を考えます。
結石や腫瘍など、頻度は低いが確認が必要な原因
頻度は高くありませんが、精嚢や前立腺、尿路・生殖器の結石や腫瘍などが関係することがあります。特に年齢、症状の持続、再発、血尿や排尿困難などを合わせて医療者が判断します。
様子を見られる場合と受診の分かれ目
一度だけで、他の症状がない
一度だけで、痛みや発熱、排尿症状がなく、その後に薄くなっていくなら、すぐに重大な病気と決める必要はありません。強い摩擦や直前の処置など、思い当たることがあれば記録します。
ただし、心配が強い場合や40代以降で初めて起きた場合は、泌尿器科で確認する選択肢があります。様子見は「何か月も放置する」という意味ではありません。
早めに相談したい場合
- 数週間たっても赤色や茶褐色が続く
- 短期間に何度も繰り返す
- 血の量が増えている、血の塊がある
- 射精時や排尿時に痛みがある
- 発熱、悪寒、会陰部の痛みがある
- 血尿、尿が出にくい、頻尿がある
- 陰嚢の腫れやしこりがある
- 抗凝固薬・抗血小板薬を使っている
受診では何を確認するのか
泌尿器科では、いつから、何回起きたか、色、量、痛み、発熱、排尿症状、最近の処置や外傷、薬、性感染症の可能性などを確認します。必要に応じて尿検査、血液検査、超音波などが検討されます。
診察のために無理に精液を持参する必要はありません。医療機関から指示がある場合だけ、指定された方法に従います。
やってはいけないこと
- 精液の色だけでがん、性感染症、前立腺炎と断定する
- 出血や痛みがあるのに、強い刺激や性行為を重ねて確認する
- 抗菌薬や止血薬を自己判断で使う
- 抗凝固薬を自己判断で中止する
- 不安を隠したままパートナーへの感染リスクを無視する
性感染症の可能性があり、症状や接触歴が気になる場合は、検査結果が確認できるまで性行為を控える、コンドームを使うなど、相手の安全も含めて判断します。
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FAQ
Q. 精液が赤いのは前立腺がんですか?
A. 血精液だけで前立腺がんとは言えません。多くは自然に軽快しますが、長引く、繰り返す、他の症状がある場合は泌尿器科へ相談します。
Q. 茶色い精液は古い血ですか?
A. 時間が経った血液で茶褐色に見えることはありますが、色だけで原因は確定できません。続く場合は相談してください。
Q. 一度だけなら病院に行かなくてもいいですか?
A. 他の症状がなく、その後に薄くなる場合は緊急でないこともあります。ただし、心配が強い、再発する、年齢や持病が気になる場合は確認をおすすめします。
Q. 性感染症の可能性はありますか?
A. 感染や炎症が関係する場合はありますが、血精液だけでは判断できません。心当たりや尿道症状があれば検査・医療相談を検討します。
Q. 何科に行けばいいですか?
A. まずは泌尿器科が候補です。排尿症状や性感染症の心配がある場合は、対応する医療機関や保健所の相談窓口も確認します。
参考情報
- 日本泌尿器科学会「精液が赤くなった、精液に血が混じる」 https://www.urol.or.jp/public/symptom/17.html (確認日: 2026-08-15)
- MSDマニュアル家庭版「精液に血液が混じる」 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/05-%E8%85%8E%E8%87%93%E3%81%A8%E5%B0%BF%E8%B7%AF%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E8%85%8E%E8%87%93%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%B3%E5%B0%BF%E8%B7%AF%E7%96%BE%E6%82%A3%E3%81%AE%E7%97%87%E7%8A%B6/%E7%B2%BE%E6%B6%B2%E3%81%AB%E8%A1%80%E6%B6%B2%E3%81%8C%E6%B7%B7%E3%81%98%E3%82%8B (確認日: 2026-08-15)
- American Urological Association/SMSNA. "Disorders of Ejaculation: An AUA/SMSNA Guideline." https://auau.auanet.org/sites/default/files/media/2023-08/Disorders%20of%20Ejaculation_%20An%20AUA_SMSNA%20Guideline%20%282020%29%20-%20American%20Urological%20Association.pdf (確認日: 2026-08-15)
よくある質問
参考情報
- 日本泌尿器科学会「精液が赤くなった、精液に血が混じる」|MSDマニュアル家庭版「精液に血液が混じる」|AUA/SMSNA Disorders of Ejaculation Guideline